「北の画集」制作・出版までの経緯

 北海道出身の画家本間武男は、余市町で生まれ終戦後に小樽市内のデパートや広告会社で働いていましたが、やがて自分の才能に疑問を感じて北海道を彷徨い歩き、第二(あるいは第三)の故郷となる苫小牧市へ移住しました。

 恵まれた体格の本間武男は常々「自分は樺太生まれ」と語っており、第二次世界大戦中には特攻機の整備をしていたこともあって、版画サロンを開業してからは北方領土返還運動等の平和運動へ携わるなど、画家としての幅を広げました。(当時、日本とソ連を取り巻く環境が整備されつつあり、1985年には日ソ漁業協定が締結されています。)

 こうして精力的に活動していたところ故郷の友人から一本の電話があり、余市町に新しく出来た公民館へ油絵を寄贈することになったのですが、その評価額が紺綬褒章の規定額を上回っていたため、余市町役場や市民の皆様が働きかけてくださり、1981年に同賞を受賞しました。そして、その翌年の1982年、反戦壁画「十界彷徨」と「北の画集」の構想が出来上がったのです。

 ここでは、弊社の前身である「版画サロン雪」が1983年から1987年にかけて出版した「北の画集Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」および、「株式会社インターコープ文化事業部」が1988年に出版した「北の画集Ⅳ」を中心に、皆様から頂きましたエールを抜粋してご紹介します。



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